仔犬の行動(2)

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社会期について

 社会期とは犬や人、またいろいろな物事を受け入れる心を作る過程の事を言います

 生後3〜16週目までが仔犬の社会期として重要な時期になります
 
 仔犬達は、好奇心の塊のように新しい物事を観察し

 聞いた事のない音には耳を澄ませ、新しいものには近付いて匂いを嗅ぎ、

 舐め、前足で触り 安全かどうかを確かめます。

 安全と分かると遊びだします。

 また、怖い時も兄弟で それが安全な物かどうかを確かめます。

 こうして毎日ひとつひとつ身の回りの物事を受け入れていきます。


○生後6〜8週目

 社会化の最適期

 模範行動・追従行動がよくみられます

 母犬は、仔犬達を遊びに誘うポーズをしたり、いたずらが過ぎるとマズルコントロールをします。

 仔犬は、そんな母犬や兄弟の真似をし遊ぶことにより

 生活の基本である「上下関係」や「挨拶」を学習します。



○生後8〜16週目

社会化の最も重要な時期

 人から愛される事により、人への信頼感や人間の群れの一員であるという事を学習します。

 この時期に充分な交流を経験しなかったワンちゃんは、

 他のワンちゃんとのかかわりが上手く図れなくなり、 挨拶が出来なかったり、

 他のワンちゃんに過敏に反応したり、恐怖心から問題行動をおこしやすくなります。

 また、飼い主以外の人との交流を経験せずに成長しますと

 他人に対して警戒心が残るようになり、将来 問題行動が出て来る可能性があります。



 社会化には適期があり、この時期にまったく社会化されずに成長すると

 新たに社会性を身につけることは苦労が伴います。

 この時期だけでなく、成犬になっても引き続き社会性を伸ばせてあげる事が望ましいです。

 いろいろな社会的経験をした子は、成犬になるにつれ朗らかで情緒が安定し、

 将来しつけやすい子になります。
 

 ただ、この社会化の時期にはワクチンの問題があります。

 ワクチン接種が終わらない為、安全を考え数週間も室内に仔犬を閉じ込めてしまう事は

 かえって社会性を養う機会を奪う事になります。

 感染の危険を回避しつつ、信頼できる愛犬家庭に連れて行き

 家族以外の人やワンちゃんにも積極的に会わせる事が必要です。


 また、新しい家に行ってからは兄弟同士で遊ぶことは難しいので

 ブリーダーの元で母犬や兄弟と遊びながら犬の社会性を養う事が大切です。 

 早期母子分離は、

 所有欲による攻撃性・恐怖による攻撃性・分離不安などの「問題行動」の要因になります。

 
仔犬を迎えるときには、次に出産のために早くから母犬と離させる様なブリーダーではなく、

 仔犬の将来を考え、

 出来る限り 母犬・兄弟と遊ばせる考えを持ったブリーダーから迎えることが理想です。


 また、社会を受け入れる柔軟な心は 

 誕生から新しいご家族の元に行くまでの環境・過ごし方でも左右されると思われます。
 
 生後2ヶ月までに、愛情をいっぱい受け 人間から大切に育てられた子は


 すでに人への信頼感もでき、明るく素直に吸収していく事ができます。

 

 ご自分の迎えたワンちゃんの個性・性格を見極めながら 無理をさせないように配慮しつつ、

 楽しく生活できるように社会化のトレーニングをする事は
 ワンちゃんを迎えたご家族の務めです。
 
 


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